福島県医大VBAC訴訟で控訴

産科医療のこれからで取り上げられていた福島県医大VBAC訴訟は、県が控訴しました。


判決文を読んでみないとはっきりしたことは言えませんが、本当に深夜の帝切決定から42分で娩出したのに、それが遅すぎたという理由で責任を認めたのであれば、この控訴は当然です。少なくとも15分以内に娩出しなければ児の予後は悪いのですから、裁判所の判断は「決定から15分以内に娩出できる用意が必要であった」と同義であり、現実的に不可能な要求だからです。

個人的には今の時代にはVBACなんてやってる方がおかしいと思いますが、この事件は13年前のことですからね。


県立医大病院医療過誤訴訟:県立医大病院が控訴「医学水準判断に矛盾」 /福島



 県立医大付属病院で出産した次女が脳性まひになり、その後死亡したのは医療ミスが原因として、両親が病院を相手取り約1億円の損害賠償を求めた訴訟で、同病院は26日、約7340万円の支払いを命じた1審判決を不服として仙台高裁に控訴した。


 判決は「子宮破裂の危険性が高く、直ちに帝王切開手術を行える準備が必要だったのに怠った」と病院側の過失を認定した。病院側は控訴について、「当時の医学水準では帝王切開手術の準備をする必要がなく、判決の医学的水準の判断には矛盾がある」と理由を話している。【今井美津子】



毎日新聞 2008年5月27日 地方版

(魚拓)